ジョウの魔法とカズヤの剣

初ミュージカル初主演、2人の座長と脇を固める素敵なカンパニーから作り上げられたあの感動をいつまでも。

血塗られた記憶

 

⚠歌詞はニュアンス

 

剣で跳ねられた父さんの生首

それが僕の1番古い記憶だ

扉破り入ってきた兵士が口々に叫んだ

皆殺し 火を放て

 

ベッドの下で

隠れて聴いた

母さんの声

途切れた悲鳴

床を伝って

生ぬるい血が

僕らを濡らす

 

穴を掘って母さんの肉埋めた

何度吐いても血の匂いは残るよ

優しかった 父も兄も 二度と僕を 抱いてくれない

ねえもう一度笑ってよ

 

空翳した手は幸せを掴むため
まだ涙にしか届かないけど

空翳した手は幸せを掴むため
まだ爪も指も血塗れだけど

今の僕らはあの日の子供じゃない

殺してやる

人を殺す正義

 

⚠歌詞はニュアンス

 

敵は容赦せずに斬り殺す

それが正義なのだ私には

ただの憎しみや怒りでは

何十万もの人間 叩き潰す事はできない

 

残虐な悪魔だと罵られてもいい

カダ王国の繁栄のため さあ戦おう

それが仕事 それが使命だ

 

殺せ殺せ焼き尽くせ そして見つけろ

滅びの剣さえあれば 我が国は安泰

殺せ殺せ暴き出せ 眠る伝説

1人の剣士でどんな国も滅ぼせるという

 

残虐な悪魔だと罵られてもいい

若き陛下のため 神に与えられた

人を殺す正義

仮面劇『風の魔法使い』

 

⚠歌詞セリフはニュアンス

 

「時は遡ること千と数年、数週間。まだこのルトフの里が "ガンドラ" という名で押しも押されぬ大国だったときのお話です。民衆は国を治める王を崇拝し、王もまた人々を愛していた」

 

我らの王ガンドラ

最高の王ガンドラ

慈愛の心に包まれた

皆の希望 ガンドラ王

 

「ガンドラ王、彼こそは‥」

 

「緊張してる?」

「当たり前だ」

「こう手のひらに役の名前を書くんだ。それで飲み込むの」

「ねえ、今日の本番が終わったら2人に付き合ってほしい場所があるの」

「え?どこ?」

「行くまで内緒。3人だけの秘密だからね。‥さあ出番よ。いってらっしゃい、ガンドラ王」

 

「では、おでましだ」

 

民よ民よ 静まれ民よ

民を思えばこそ 生きる喜びを感じ

民をなくしては 国は成り立たぬ

 

そこへ1人の盲目の少女が現れた

 

「無礼者!」

「王の御前であるぞ」

「待て、この者は目が見えぬようだ。大丈夫か?」

「王様、お願いがあります。どうか、どうか私のこの目を見えるようにしては頂けませんか?」

「何!?」

「民を思う王様なら出来ないことはないはずです」

 

「この言葉に王様は酷く動揺した」

 

「お待ちなさい」

 

「この男はこの国でも指折りの魔法使い」

 

人は限られた力しか持たぬもの

私はそれをただ助けるだけの者

目蓋を閉じて 息を整え

シャルレルーレラーピア

シュルラルーレサーリア

 

「まあご苦労様。あら行かなかったの」
「『風の魔法使い』あの話は好きじゃない」
「‥そうね。何か食べるわね、余り物あるけど」
「私持ってくる」
「ああ、あなたはいいよ」
「ありがとう」
「子どもはこの里の調和の印だ」

「そのとおり」

「でも不安なの。自分では想像もつかないことが起こりそうで」

「大丈夫、あんた1人の子どもじゃない。この里全員の子どもになるんだから」

「じゃあリューンの2人とも兄弟ってことね。エルカとも。」

「そうね、よろしく」

「アリーシャ」

「ああ、あなた」

「いってくる」

「いってらっしゃい」

「ああ、ご苦労様です」

「ああ、あんたの弟子ってやつ見なかったか?」

「弟子じゃない」

「あんたは有名な学者だ。ああいうやつが後を絶たない。いつか悪い風を運んできそうな気がする」

「それは別にダイスさんのせいじゃ‥」

「魔法使いはもうこの世に居ない。なのに、なんでそんなものを研究するんだ。」

 

「こうして魔法使いは次々と国民を不幸せを幸せに、不便を便利に、悲しみを喜びに変えていった。」

 

「素敵なものがこの世にはいっぱい。」

「「ありがとう魔法使いさん。ありがとう、そしてありがとう。」」

「何だこの気持ちは。まるで王冠を盗まれたようだ。この気持ち。誰も私を見ていない。群衆よ、王はここだ。ここにいるぞ。この国に平和をもたらすのはこの私だ。」

 

「すまない、心配かけて」

「ごめんなさい」

「あなたが謝ることじゃない。彼は誰よりもこの里のことを考えてくれている。」

「毎晩見張りに立ってくれていること感謝しているの」

「こういう性分だから気にしないで」

 

ガンドラが狂った

「違う、悪いのは私じゃない。悪いのはこの魔法使いだ」

嫉妬の鬼と化した

「そうじゃない。悪いのは、悪いのはお前たちだ」

あんなに慈愛に満ちたお人が

「王よ私の話をお聴きください」

「黙れ、黙れ黙れ黙れ!」

「私の話に耳を‥ガク」

 

「「なんということを」」

 

聞いたことがあるぞ

魔法使いを刺したその剣は

"滅びの剣"と化す

 

「うおおおお‥なんだこれは。剣が勝手に」

 

「見境いなく誰も彼をも殺す。その剣は嫉妬と復讐に塗れた。黒い悪魔で敵も味方も女も子供もそしてすべての魔法使いを根絶やしにした止まることはない滅びの剣」

 

(風の魔法使い登場)

「誰だ?」

「我は風の魔法使い」

 

(戦闘シーン)

 

「愚かな王よ、何故このような真似を」

「「愚かな王よ、何故このような真似を」」

「自分でも分からぬ」

「「ならば、風に問うのだ」」

「何?」

 

シャルラルーレラーピア
シュルラルーレサーリア

シャルラルーレラーピア
シュルラルーレサーリア

 

「滅びの剣は我が呪文により封印された。」

「私は一体これからどうしたらいいのですか?誰も居なくなったこの世で。」

「お前の命を永遠に続くことにしよう。悔恨と後悔と祈りを込めて永遠に生き続けるのだ。それがお前に課せられた罰だ」

「何」

 

剣は花となって消えた

この国に奇跡が起こり

戦は永久に消え去った

 

睫毛の雫が風にさらわれて

未来へ運ばれ 光になるだろう

 

「礼」

一角狼座の人々

 

⚠歌詞セリフはニュアンス

 

上がるぞ初日の幕が

我らが誇る一角狼座

人気の一座だ今日も

遠くからお客が押し掛ける

ルトフの里の伝説 驚きを誘う新作

見ないと後悔するぜ

タイトルは『風の魔法使い』

さぁ開幕だ

 

だっつーのにあの2人

どこで油売ってんだ

最後の稽古ができねえ

 

「座長そんなにピリピリしない」

「今日は初日だってのにさ」

「また禿げちゃうよ」

「もう禿げてるわ」

 

個性あり過ぎ一座をまとめて

苦労もしっぱなし

本を書いては振り付けもするぞ

努力を惜しまない

なのにお前らときたら

勝手なことを今日も言い放題

 

「ねえ私の衣装まだ出来てないんだけど」

「しょうがないでしょ、衣装係がどっか行っちゃったんだから」

「おお‥お金がなな‥ないのが原因かな?」

「このテントもボロボロだ」

「昔はよかったよね、もっと賑やかだった。客も羽振りがよかったしなあ」

「うるさいうるさい!」

 

たとえお客の入りが悪くても

お見せするのは最高のもの

でもお金は欲しいよ

 

「金か?」

(アドリブ)

 

いただけるさ 熱い拍手 快感だ

 

愛に満ちた一座

演技とダンス そして音楽

三つ調和をさせて

最高の舞台

 

「早く早く」

「いえーい!」

「遅いよ、リューン」

「どっちもだよ、リューン」

 

愛に満ちた一座
演技とダンス そして音楽 調和をさせ

輝く 我ら一角狼座

 

 

 

「三つのかまど亭」のテーマ~フローリアとエルカ~マーナムとアリーシャ~ファンルンの弟子入り志願

 

⚠歌詞セリフはニュアンス

 

「三つのかまど亭」のテーマ

ここは三つのかまど亭

一は独占 二は対立で

三こそ調和の数字なの

だからかまども三つなのさ

空と海に陸がある

昼 夜 間に夕焼け

 

三がテーマの宿屋

蒸す 煮る 焼くで 料理も最高

お芝居見る人や楽器買う人

千客万来 ルトフの里

 

「マーナム先生、おはようございます。」

「おはよう、リューン・ダイ」

「気分はどうですか?アリーシャさん」

「ありがとうリューン・フロー。今日はとっても調子がいいわ」

「神秘的ね、あと少しでここから2人の愛の結晶が生まれてくるなんて」

「これであんたたちも晴れて調和の数字3にとなる」

「でも双子が生まれたらどうしたらいいんだ」

「いじわる言わないの」

「双子の時はもうひとり作るの、そうすれば(三になるでしょ)

「ねえ、ママの仕事も三つにすれば?宿屋の仕事と里の長と」

「長はすぐにアリーシャよ」

「私なんてまだまだ見習いです」

「あ、三つ目の仕事お母さんだ」

「え!?」

 

フローリアとエルカ

調和と笑顔が大好きな

ママはこの里のお母さん

みんな元気になれる場所

遠慮はいらないよ さぁお食べ

焼け跡から連れてきた

戦争孤児育てる

 

ここは愛に満ちた宿屋

仕事じゃないの 信じたいの未来を

やっぱママ大好き

 

「じゃあさっき隠したものをここへお出し?」

「覚えてた」

「ねえ、あなたにはお化粧はまだ早いの。ねえ、何を隠したんだ。口紅?チーク?」

「いつまでも子供扱いしないで?私たち半年後には通過の儀を迎えるのよ」

「通過の儀がどんなものか知ってるの?」

「もちろん!三日三晩、里に伝わるお説教を聴いて最後にお酒を呑むんでしょ?」

「その通り」

「わあ!」

「こいつはもう立派な大人だぜ」

「おいおい‥」

「やーめーてっ」

「商売がしけこんでるからって朝から飲んだくれてなくてもいいだろう」

「いや飲んだくれてたのは昨日の晩からじゃい。このやろう」

 

テルミンをやっつけるマーナム〉

 

「よ、さすがは自警団団長」

「「マーナム」」

「大丈夫か」

 

マーナムとアリーシャ

平和のためにまだ戦士が必要

後継者にはダイがいい

やる気も才能も見える

危険な任務もうやめて

だってすぐパパだよ

みんなが願ってる平和

次の世代に渡すんだ未来を

 

「覚えてやがれ!」

「はいはい‥わああ!ごめんね。ダイス先生ダイス先生!お待たせしました、頼まれたものすべて持ってきましたよ」

「なんだお前まだ居たのか」

「え!?」

「たしかファファファ‥」

「ファンルン!」

「って誰?」

「ナタージアからの観光客」

「観光じゃない」

「よそ者を邪険に扱うつもりはないが、ダイスは弟子を取らない」

「え!?じゃあ俺が初めての弟子ですね?そうですよね先生、約束しましたもんね。‥そんな!?約束したじゃないですか。これ!ここにあるもの見つけてきたら弟子にしてくれるって」

 

ファンルンの弟子入り志願

三足揃いの長靴と

三つ穴のオカリナと それから

三本になった枝毛と

サンダルに踏まれた三葉虫

ご苦労さん では次の試験

ドラゴン1匹倒せ

それはないでしょ先生 研究したいんです

ファランディーアの泉

 

とっくに枯かれてるわ

そんなバカな

行けばわかるでしょう

芝居テント その裏に

今は草原広がっている場所がそう

はるばる来たのに残念だったわね

なら掘り起こしてみせます 滅びの剣を